[読書感想文] 舞姫

舞姫・うたかたの記―他3篇 (岩波文庫 緑 6-0)

舞姫・うたかたの記―他3篇 (岩波文庫 緑 6-0)

タイトルはずっと前から知っていたけど、ちゃんと読んだのは今回が初めて。きっかけはiPhone青空文庫アプリ。そうアイフォーンならね。関係ないですけど使い勝手いいですよ、SkyBook。

内容についてはまあ聞いていたとおり。世で言われている豊太郎それどうなのよという感覚もまあなんとなく分からないでもないです。でも、ドイツでヴィルヘルム1世、フリードリヒ3世が相次いで崩御、ヴィルヘルム2世が即位しビスマルクが失脚するという出来事が続き、第1次世界大戦の足音が聞こえてくるという激動の時代の中で、庶民社会はいったいどのようなものであったかのか、その一端が垣間見えるというところが一番興味深かったです。

僕らは歴史的な出来事はエライ人達の物語としてしか知らないけれども、その背後には社会があって、そこではたくさんの人達が生きていて、激動の時代であっても生活をしていたのです。世の人たちはそのエライ人達をどう見ていたのか、あの出来事をどう見ていたのか、どんな家に住んで、どんな服を着て、どんな物を食べていたのか。それはエライ人達の物語と同じくらい面白いもんです。

さて、雅文体にアレルギー反応もなくなったので、次は即興詩人でも読んでみます。舞姫に比べて恐ろしく長いのでiPhoneで読み切れるかどうか…。Sony Readerでも買うか。いや、買うなら本だよね、そりゃあ。